■脱稿と、それぞれの問題と■
2020/11/06
昨日の午後、入稿を終えた(娘が)。
私はここ1週間、原稿の直しと格闘、徹夜をして、ほとんど、どこにも出ず、紙の原稿と、PDFを見直すことだけをしていたように思う。
2冊同時刊行。これは予想以上に大変なことだった。
オードリーとマリリン。再生版だからと、娘の希望で序章を書き直し、それからいつもはしない、本文に手を入れるということもした。
唖然としたのがマリリンで、マリリンを書いていた時期は人生で一番心身の状態が悪かったシーズンと重なっていたからだろう、文章がひどく荒れていた。
出版された本を読み返すことはあまりないから、今回直すにあたって、ほんとうに、唖然とした。
今回は、ブルーモーメント初の出版、ということもあり、本文はすべて私の責任。最後の最後まで不安でいっぱい。もう文字なんて見たくない、マリリンのこともオードリーのことも考えたくない、という状態になった時期さえあった。
そして昨日入稿を終え、私はその日の午後から夜にかけて立ち上がることができなかった。
まだここまで集中できるんだ、という想いと、もう少し前だったらもっと集中できたし体力もあったかもしれないのに、という、そんな想いが交錯するなかで、廃人化していた。
今回は、マリリンのこの言葉が、胸にしみていた。ずっとずっと離れなかった。
「誰もがそれぞれつらい問題をかかえているわ。胸をしめつけられるような問題を抱えながら、それを周囲に知られないようにしている人たちだっているのよ」
ひとり出版社「ブルーモーメント」設立のお知らせをしてから、何人かの方々から個別のメールをいただいた。お会いしたことのない方からもいただいた。
お祝いのメッセージだったけれど、そこには、娘が母の本を出したくて出版社を設立するなんてすごい、あなたはとても恵まれているひとですね、という趣旨のことが書いてあった。
私はその方への返信にも書いたのだけれど、「いま、この現在のこの瞬間」だけを見れば、たしかにそうかもしれないけれど、ここに至るまでに何があったか、いくつもの出来事、いくつもの想い、そんなことに想いを馳せれば胸が締めつけられる。
だから、いまは、マリリンのこの言葉がしみるのだ。
そう。ほんとうにそう。マリリンの言う通り。
誰もが問題をかかえている。