ブログ「言葉美術館」

■大阪プチ旅行記

 やること山盛りの日々が続いている。部屋には次回作のゲラと、その次の作品の参考図書や資料が山積みになっていて、ぜんぜん優雅じゃない。

 そんななか、大阪に行ってきた。こういうの、出張と言うのだろうか。仕事だからそう言うのかな。でも一緒に行くのが娘となると、なんか変な感じ。

 春に開催予定のポップアップストアの場所を見ることと打ち合わせ。

 そして、ブルーモーメントの「生き方シリーズ」を最初から大展開してくださっている書店さんにご挨拶に伺った。

 写真では見ていても、実際目の当たりにすると、やはり感慨深い。東京の書店で見るのとは違う。同じ本なのに、なんだろう、遠くで頑張っているね、みたいな思いかな。

 カフェのコーナーに席をご用意していただき、ゆっくりお話できたのだけど、そこで、書店員さんが私におっしゃった一言が、わりと強烈だった。

「お写真で拝見していますけど、実際、こうしてお会いしたほうが、実物? のほうが、なんて言ったらいいんだろう、、、」

 いろんな形容をしてくださる。

「実物の方がいいってことですか? 悪い? どっちかな」と私。

「いいんです、あ、わかりました。印象が、すごくフレッシュ、なんです!」

 フレッシュ!!!

 フレッシュな人!!!

 これって、生まれてはじめて言われた言葉では。

 わーい。

 

 数時間後、食事をしてホテルに行く前にコンビニに寄って、娘はスイーツを、私はワインを買った。

 レジで、店員さんがおっしゃる。

「年齢を確認できるものをご提示ください」

 ?!

 私は慌てて保険証を見せた。店員さん、きちんと生年月日を確認して、「OKボタンをどうぞ」って。

 ねえ、これって文化なの? 関西って外見どんなでも年齢確認するの?

 ねー、同じ年齢に見られたかなー。やだなー。(娘)

 びっくりじゃない? 不思議ねー。(私)

 フレッシュだからじゃない?(娘)

 ということで、最近はなにかあれば、「フレッシュだからね」になっているのでした。

 泊まったホテルは、最上階に安藤忠雄が設計したチャペルがある、ってことで選んだ。見学費が必要なのだけど、興味があったから見学をした。

 夜だったから光がどのように降り注ぐのか、まったくわからなかった。大失敗。昼間じゃないとだめだったのね。

 梅田の阪急百貨店で、アンスリードのコートを買った。久しぶりの一目惚れ。これも東京ではきっと買わなかったんだろうな、一目惚れとはいえ、何か勢いみたいなのがあった。

 旅行中、よく考えたことは、ホテルの人にしても書店の人にしても、百貨店の人にしても、人と関わるときの物腰。ロボットみたいに、何かの決まりに従っているだけみたいな、それがたとえ笑顔でも無表情無関心なひとと、そのひとの人生が垣間見えるような、あたたかな血が流れているようなひとがいるってこと。

 執筆の合間の小休止、といった感覚のプチ旅行は、それでも非日常で、感想は「楽しかった」。

 これからの2ヶ月は、ほんとうに集中しないと予定刊行が難しい。こんなに忙しくて、食事の約束もままならず、タンゴも週一以上は無理で、なにかが間違っていないか、と思うことはあるけれど、それをうわまわるかんじで、書きたい、って思いがあるからどうしようもない。

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