ブログ「言葉美術館」

◆あいまいで複雑な色彩

2016/06/21

書き残したかった映画」というタイトルで、過去の記事を再録するという作業をしている。数日に一つアップできればいいかな、と思って進めているけれど、再録するにしても、そのときの気分があり、今日は「愛を読むひと」だった。

書き終えて考えた。

20代のころの自分と今の自分とで、もっとも変化していることの一つは「オール・オア・ナッシング」じゃなくなったところかもしれない。

私はずっと「あいまい」とか「とりあえず」とか「しょうがない」とか、そういう色彩が嫌いだった。白か黒か。0か100か。そして「オール・オア・ナッシング」。

そんなふうに生きたいと思い、そんなふうに生きてきたように思うけれど、世界は両極だけではなかった。その間に広大な、あいまいで複雑な色彩をもつ世界が広がっていた。そしてその世界に価値がないわけではない、このところはそんなふうに思うようになった。

過去の記事を再録することに意義があるのか、貴重な時間をそれに費やすことに価値はあるのか。

そんなのわからないけれど、この先、出版という形で自分が書きたいものがどれだけ出せるか、そんなことを考えると、このサイトも私の表現の場だから、一度壊してしまったけれど、再び創りあげていこう、とそんな気になっている。自分がいなくなったあとも残るものとして。

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