ブログ「言葉美術館」

◆不変なものは何もない

2016/06/21

Img_2219昨夜は、いろんな出来事が頭をかけめぐってなかなか寝つけずに、ようやく眠りに落ちたと思ったら、嫌な、ほんとうに嫌な、夢を見た。

泣きながら目を覚ますなんて悲しすぎる、って言ったのはメイ・サートンだったかな。

朝いつもの時間に娘の朝食とお弁当を準備して、それからソファで長い午前中、ジャクリーンの言葉を考えていた。

『ジャクリーン・ケネディという生き方』のラストにもってきた彼女の言葉。

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絶対に変わらないのは、不変なものは何もないという事実だけよ。

だから、何にも、誰にも頼ることはできない。

頼れるのは自分自身だけ。

これがつらい思いをして私が学んだことよ。

***

夫、ケネディの暗殺、子どもたちが襲われることへの恐怖、その後世界的大富豪のオナシスとの再婚、世間からのバッシング、オナシスとの死別……。

そういうことを経験した彼女のこの言葉は、ずっしりとした重みをもっている。

私は彼女の経験に比べれば、経験にうちに入らない、と言われるようなそんな程度の経験だけれど、私なりにしてきていて、ジャクリーンのこの言葉に共鳴した。

絶対に変わらないのは、不変なものは何もないという事実だけなんだよ。

これを今日は胸に痛いくらいに深く深く刻もうと思う。

変化した事柄に対して、自分のことを棚に上げて、絶望することがないように。

ジャクリーン・ケネディ。

評判がよくない本だけど、私はやっぱり、この本が好きだし、ジャクリーン・ケネディも好きだ。

彼女は苛酷な人生を与えられたけれど、そのなかで自分の幸福を脅かすものたちと闘い続けたんだもの。

私も自らの幸福を脅かすものたちと闘わなければ。

ようやく、精神のゆらぎ、暗闇から少しずつ抜け出すことができているんだから、闘わなければ。

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