■合法的じゃない愛 「脂肪のかたまり」 モーパッサン■
2016/05/22
「合法的な愛は、自由奔放な愛を見下すのを常とするもの」
一台の馬車に一人の娼婦と、三人の“堅気の”人妻が乗り合わせた。
「娼婦がその場にいるせいで、たちまち三人の女は、仲良しと言っていいほど親密な間柄になった。恥知らずな女を前にしては、人妻としての権威にかけ、自分たちは結集しなければならないと思ったのだ。なぜなら……」
として、最初の文が続く。
合法的な愛には美がない。と思うのはなぜだろう。法によって認められ、保証され、保護されているということが、美しくないと、思うのは。
私はいつまでもたぶん「法などによって守られなくても、存在するものでなければ嫌だ」と、結婚しているくせに地団駄を踏みたくなる。