■基本的な掟 「遊び人の肖像」 フィリップ・ソレルス■
2016/05/22
「いずれにせよ、同時に二人の女は絶対に駄目、というのが大原則! ひとりあるいは三人、あるいは四人、あるいは千人、あるいはゼロ。二人は絶対に駄目! いみじくもリヒテンベルクが言ったように――“イギリスである男が重婚の罪で断罪されようとしていた。弁護士は、彼に女が三人いることを証明して彼を救った。” これこそ基本的な掟なのだ。例外はいっさいありえない」
この掟、大きく頷ける。ほんとうに、その通りなのかもしれない。この掟に背いて「駄目!」じゃなかったことはないもの。
たとえば、自由恋愛の最大の障害、「独占欲」などで、この掟が正しいことを証明できるかもしれない。
「独占欲」などは、完全に「二人」がまずい。あとは、しょうがないか、それがあのひとのスタイル、と強引に思い込ませることが可能なような気がする。
けれど忘れてはいけないのは、ソレルスは「ひとり」も肯定しているということ。