■満足のノルマ 「魔女の一ダース」 米原万里■
2016/05/19
「上昇志向の強い人間は、なかなか幸せになりにくい。
幸せとは自分を見つめる、もう一人の自分が、自分に満足であるときに感じる心の状態である。
満足のノルマをどこに置くかで、幸せの度合いも左右される」
まったくそうなのだ、と思う。
その上で、こうも思う。
「満足のノルマをどこに置くか」・・・、これは私にしてみればちょっと違和感があるな、と。
どこに置くか、という選択は不可能だと思うから。
ここに置きたい、ここに置けば幸せに近いのにさあっ、と地団駄ふみながら、「満足のノルマ」が遠くにあるのをじっと見つめる、そんな自分の姿が浮かんでしまうから。
そうか。
書きながら思う。
幸せにたどりつくには、まず、「満足のノルマ」を自分で設定できるような力をつけないといけないのかも。
「どこに置くか」は、その後の問題なのだ。
雪が降った日の夜の空気は、すごく冷たいけれど、窓を開けて、思い切り深呼吸したくなる、そんな魅力に満ちている。窓を開けてみる。