ブログ「言葉美術館」

■満足のノルマ 「魔女の一ダース」 米原万里■

2016/05/19

146522「上昇志向の強い人間は、なかなか幸せになりにくい。

幸せとは自分を見つめる、もう一人の自分が、自分に満足であるときに感じる心の状態である。

満足のノルマをどこに置くかで、幸せの度合いも左右される」


まったくそうなのだ、と思う。

その上で、こうも思う。


「満足のノルマをどこに置くか」・・・、これは私にしてみればちょっと違和感があるな、と。


どこに置くか、という選択は不可能だと思うから。

ここに置きたい、ここに置けば幸せに近いのにさあっ、と地団駄ふみながら、「満足のノルマ」が遠くにあるのをじっと見つめる、そんな自分の姿が浮かんでしまうから。


そうか。

書きながら思う。

幸せにたどりつくには、まず、「満足のノルマ」を自分で設定できるような力をつけないといけないのかも。

「どこに置くか」は、その後の問題なのだ。


雪が降った日の夜の空気は、すごく冷たいけれど、窓を開けて、思い切り深呼吸したくなる、そんな魅力に満ちている。窓を開けてみる。

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