■不足時の慰め 「わが悲しき娼婦たちの思い出」 ガルシア・マルケス■
2016/05/19
「セックスというのは、愛が不足しているときに慰めになるだけのことだよ」
90歳の、性的に自信のある男性が、娼館のマダムに言った言葉。
とくに胸に響いたわけではないけれど、気になって書き留めた。
いつか、「はっ」と、言葉の持つ重要な意味に気づくような予感が、少ししたから。
昨日、外はものすごい風が吹き荒れていて、いろんな音が聞こえてきて、そんななかで、一気に読んだのだが、やはり、主人公が90歳だし、90の誕生日に「うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考え」るような人なので、やはり共感するところはとても少なかった。
でも、どこかで安堵めいたものがあったのも確か。