■「フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由」横田増生■
2016/05/18
友人から薦められて読んだ。
序章
「フランスで子育てしながら考えた 日本の子育てはなぜ苦しいのか」
を読み終えたとき、すでに、かなり著者に共鳴していた。
男性なんだけど、自分と同じ悶絶経験をしていた。
「子どもを育てながら仕事をする上で一番辛いことは、時間がつねに“引き算”になることだった」
子どもの風邪、怪我その他。
「仕事の時間が減ることはあっても、増えることはない」
「しかし仕事が二の次という状態では、やる気を失わないようにすることが肝心だった」
第四章「親になるとはどういうことか」も好きだ。
ぜんぜん説教臭くなく、それでも根本から、自分の言葉で考えている。
専業主婦願望についての「今」の「事情」は、勉強不足もあって、初めて知ることばかりで愕然として、立腹モードになった。
やっぱり、私は、誰かにべったり依存して人生をおくったれ、と最初からそれを目標にしている人たちが嫌いだ。
……と、私は好みで、著者の個人的な経験のところばかりに集中していまうけれど、この本の趣旨は、帯にもあるように、これだろう
「無職のシングルマザーでも四人の子どもを育てられる国と共働きでも子育てに経済的な不安を感じてしまう国の違いとは?」
「先進国でフランスだけが出生率を2.0以上に回復させた秘密!」
伝えたい、という情熱があふれている本でした。
読了後にふと坂口安吾を思い出したくらい。
「問題は、汝の書こうとしたことが、真に必要なことであるか、ということだ。汝の生命と引き換えにしても、それを表現せずにはやみがたいところの汝みずからの宝石であるか、どうか、ということだ」
軽井沢、一日の寒暖の差が悪魔的な季節となっています。