■真剣になれる喜び 「ダイング・アニマル」 フィリップ・ロス■
2017/08/04
「そして、喜びこそが我々のテーマなのだ。短い人生のあいだで、どれだけ個人のささやかな、プライヴェートな喜びに真剣になれるか」
社会と関わる活動、仕事、成功。
そこにばかり目がいく人と、日常のなかに目がいく人とがいる。
ダイング・アニマルの語り手の男は社会的に成功している。
趣味があり、それはピアノをひくことだ。
「個人のささやかな、プライヴェートな喜び」
「真剣になれる」
喜び。
彼の場合はピアノだけれど、私の場合は何だろう、と考えた。
もちろんそれだけで満たされないのは、既にわかっているけれど、「ささやかな、プライヴェートな、真剣になれる喜び」、そこに人生の大切なポイントがあるように思う。
と思ったとき、人生に対する捉えかたが変わってきていることに気づく。
今日の軽井沢は雪と霧。白く静かな一日でした。