■安吾■「ただ、負けないのだ」
2017/06/12
苦しくなったときの安吾サマ。
じわじわと染みてくる。「不良少年とキリスト」から。
「しかし、生きていると、疲れるね。かく言う私も、時に、無に帰そうと思う時が、あるですよ。
戦いぬく、言うはやすく、疲れるね。しかし、度胸はきめている。是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。そして、戦うよ。
決して、負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。
戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません、ただ、負けないのだ」
ああ。まるで、耳元で囁かれているようで(妄想は得意)、慰められた。
望む方向に、気持ちが一歩踏み出せたかんじがして嬉しい。と思いこもう、そうしよう。
ほんとに、すべては自分の心の状態なんだから。心の状態で周囲が、周囲の彼らは実際変わらなくても、私にとっては変わって感じられるのだから。
気持ちよく人生を送るための秘訣みたいなかんじで、よく「期待しないこと」というのが挙げられるけれど、私はそれに賛成しながらも、そうなりたくない。
だって、淋しくてやりきれない。
苦しみの要因でもあり、悦びの要因でもある「熱」がそこにはないから、どうしても嫌。