■「セルフポートレイト」 マン・レイ■
2016/06/30
「わたしは他人の作品は決して批評したり拒絶したりしようとはおもわなかった。
批評家の側からの批評・拒絶に、精いっぱい耐えてきたのだ。
そういう批評家たちの動機がいったい何なのか、いつも疑問におもったものだ」
マン・レイの自伝を読み返していて、「ああ、このひとのこと好きだなあ」と思った箇所。
私もいつも疑問だった。
創作をする動機は、その種類は違うだろうけれども、ねっこのところにある温度みたいなものは、私もわかるような気がする。
けれど、批評はわからない。
六月になり、木々の緑はいよいよ濃く、けれど私の日常は淡い色彩で、しずかに過ぎてゆく。
なんだろう、これは。
と、昨夜ベッドのなかで考えて始めてしまい、こういうことをすると眠りが遠くなるからと考えることをやめようとしたけど無理だった。
何かを受け入れ始めたのかもしれないな、という結論じみたところに到達したら、眠りはさらに遠くなって、しかたなく二階へゆき、本棚をあさった。
とりだした本は中島義道せんせいの「人間嫌いのルール」。もちろん眠りははるかかなたへ。