■■アナイスの芸術創作の掟■■
2017/02/08
「私は一人の女じゃないみたいなの。
自分がいくつにも分裂している感じがするの。でも、ゲームをしている訳ではなくて、一種の悲劇なんです。
頭の中で愛することと、肉体的に愛することは別だから」
このところきりっとした感覚がどこかに行ってしまっている。
不調なわけではなく、毎日やるべき仕事も、そこそこ、こなしているけれど、鋭さがない。
「肉と肉とが触れあうところで香水は香り立ち、言葉の摩擦は苦しみと分裂を引き起こす。
その香り立つものを尊重することこそ私の芸術創作の掟だ」
アナイスの、鋭い感覚を自分のなかに塗り埋めこみたいと思う夜。どしゃぶりの雨がやんだ窓からは、濡れて冷やされた空気が流れ込んできて、素肌にとっても、ここちがいい。
絵はクリムトのユディット。