■■眠る女■■
2016/06/30
遠い日のことだけど、眠っている姿ばかり写真に撮られたことがあった。
眠っているときは喋らないから、憎たらしくなかったのだろうか。
……そういえば、「魔の二歳児」と一緒のころ、昼間はデビルそのものでも、眠っている姿はかわいくて、そのギャップにとまどう日々を過ごしたものだ。
さいきん、私は眠らないで仕事をし続けていたい日と、眠るのがとても楽しみな日とが交互にきているような気がする。
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若いとき つらいことに出会ったならば 夜を徹した
けれど いつしか
つらいことに出会ったならば すぐに くすりをのんで 眠る女に
幾夜徹しようとも 解決できないことが このよのなかにはあるのだと
知りはじめているから
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夏の軽井沢の夜は、眠るための夜。
今年の夏は軽井沢で暮らしはじめて10回目だけれど、こんなにも、軽井沢の夏の夜を愛したことはないように思う。