■■毬谷友子のシャンソン■■
2016/06/21
6月26日の夕刻、「MARIYA@CHANSON ~命 3.11~」と題されたコンサートに出かけた。
毬谷友子については、このブログでも、なんどか書いてきている。(*いろんなところで言っているけど「さん」をつけないで名だけで表現することは一流のアーティストに対する私なりの敬称です)
歌を聴くのははじめてで、しかも私の大好きなシャンソンで、コンサートに行くか行かないか躊躇したのは、すこしこわかったからだ。
舞台で、あれだけのものを感じとってしまっているから、歌でそれが損なわれたらどうしよう、という。
そんな心配はするだけばかだった。
期待以上なんてものじゃない、それをはるかに超えていた。
第一部で7曲、第二部で7曲、計14曲。毬谷友子は14の芝居を演じていた。
ひとつひとつに全力を尽くして。そういう歌だった。世界だった。
唇のふるえ、肩のちょっとした動き、まつ毛のながれ、全身で歌のなかのひとびとの人生を演じていて、私はすっかりはいりこみ、やりきれない人生の悲哀、恋の獰猛さを体感していた。
私は、シャンソンはもっぱらピアフ。
他の方々の歌もときおり聴くけれど、どうしてもピアフの声でしかなじまない。
なのに、毬谷友子の「群衆」「アコーディオン弾き」は違った。
「アコーディオン弾き」はすごかった!
原詩に近い訳で歌ってくれた「100万本のバラ」もよかった!
私は、コンサートの最初から最後までぼろぼろ涙がとまらず、一緒に行ったひとはそんな私を笑ってた。
あんまり感動が強いと、なかなか書けない。
だから3週間も経過してしまった。
ようやく書きながら、すでに、またあんな体験がしたいと、からだがぶるっとふるえるようなそんな時間をもちたいと、渇望している。
毬谷友子の舞台はいつも私をこんな状態にする。
刹那的な香りが濃厚だからだ。
だから大好き。