ブログ「言葉美術館」

■■どんな表現力が欲しいの■■

2016/06/11

110804_183801「エディット・ピアフ」コンサート&ドキュメンタリーを久しぶりに観賞。

そうしたらどきりとする言葉を拾えた。

ライターのクロード・ジャン・フィリップがピアフについて語るなかで、

「ピアフにとっては何よりも愛が重要でした。恋愛は誰もが経験するものですが、彼女はそれを歌で表現しました。

人々に『愛に生きよう』と思わせる表現力がありました」

と言っていた。

人々に、『愛に生きよう』と思わせる表現力」! 


そう、だからピアフを聴くと愛に生きよう、と思う。


クロード・ジャン・フィリップの言葉は私にさまざまなことを考えさせた。


私にとって何よりも重要なものは何か。

それを何で表現するのか。

どんな表現力が欲しいのか。


そういえば、何よりも重要なものについて、辻邦生は「生命のシンボル」という言葉を使った。

私はそれについて、何年も前に出した本『うっかり人生がすぎてしまいそうなあなたへ』のなかで、けっこう力を入れて書いた。

タイトルが「自分の中にある破壊しがたいもの」、タイトルからして力が入ってるでしょう。


その中からちょっと文章をひろってみる。


それでは私の生命のシンボルは何か、『生きる根源の力、ひとつの信念、確信』は何かといえば、考えるまでもなく、私が信じる美を表現することなのであった」


一度見失ったものを再発見したとき、それは以前より確実さを増している。

長い人生のなかで再発見を何回か繰り返すうちに、それはほとんど自分にとっての真実になる


……私、真実に近づいているかな。


今日も暑かった。


新しい本について興奮ぎみの有意義な打ち合わせを終えて帰宅したら、開いたままの本のなかに「ひとはひとりでは生きていけません」という文字があった。


今の私の心境は、


ひとは誰かに必要とされていると感じていないと、生きていくのが困難。

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