■5月2日■
2016/06/11
今日はなにか、いまの自分にいちばん近いことを書きたくて、書棚を眺めること数十分。
何冊か手に取り、ぱらぱらっとページを繰って、戻して、ということを繰り返して、結局手にして机に戻った本は、坂口安吾の「堕落論」。
やっぱり同じ精神圏にいる……と思いたい、と切望するほどに彼の言葉に安堵する。
すくわれる。太宰治の自殺に関する文章で、「生きなければならぬ」と繰り返し説く、私が好きなエッセイのひとつ「不良少年とキリスト」から。
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人間は生きることが、全部である。死ねば、なくなる。名声だの、芸術は長し、バカバカしい。(略)
生きることだけが、だいじである。たったこれだけのことが、わかっていない(略)
生きてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。(略)
私は、これを、人間の義務とみるのである。(略)
しかし、生きていると、疲れるね。
かく言う私も、時に、無に帰そうと思う時が、あるですよ。
戦いぬく、言うはやすく、疲れるね。
しかし、度胸は、きめている。
是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。
そして、戦うよ。
決して、負けぬ。
負けぬとは、戦う、ということです。
それ以外に、勝負など、ありゃせぬ。
戦っていれば、負けないのです。
決して、勝てないのです。
人間は、決して、勝ちません、ただ、負けないのだ。
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私も、生きる時間を生き抜きたいと願う。
愛されることばかりではなく愛することに魂をちかづけて、生きてみたい。