■「感動をつくれますか?」 久石譲■
2016/06/11
「普通の人が見逃し聞き逃してしまうような事柄の中に、ピンと心に響くものを感じ取る。
砂の中から金をすくい取るような感覚が、ものをつくっていくうえでは重要だ」
「ものをつくる人間に必要なのは、自分の作品に対してのこだわり、独善に陥らないバランス感覚、そしてタフな精神力、この三つだと思っている。どれが欠けてもうまくいかない」
「感動」という言葉を使ったタイトルに驚いて手にとった本。
私の感覚だと、あまりにもそのまますぎて使うのにためらうからだ。
しかも著者は音楽家の久石譲。
一読して久石譲の健全さに圧倒された。
よい音楽を作るために、身体を鍛え、精神力を鍛え、心身ともに強靭になる。
それがあのような音楽を生み出す。
久石譲は、ものをつくる人間に必要なものとして、三つあげているが、このなかで私にもっとも足りないものは、タフな精神力。
でも、いま、そう書きながらも、このところは少しずつ、ここ数年間よりは少しずつ、つよくなってきているような気がしている。それが嬉しい。
久しぶりにお会いした二人の女性から、「前よりもやわらかくほわんとしているかんじ、顔色もいいですね」と言われた。
「あんまり無理してないから。それに太ったし」と言ったら、「今のほうがいいですよ、そのくらいのほうがいいです」と二人ともうなずきながら言ってくださった。
嬉しかったから何枚か着られなくなったワンピースがあったとしても、よしとしよう。