■■抵抗できないこと■■
2016/06/09
彫刻家の高田博厚のルオーに対する想いがぎっしりとこめられた本を読んでいる。読むのは三度目だけれど、今回がいちばん胸に響く。芸術というものにかける人間の、祈りのような熱が、ある。
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人間は恋するとき、恋する相手を「所有」したいのである。
「美」に感動するとき、「自分」がそれに参画したいのである。
これに抵抗できないのが芸術家の運命である。
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私が抵抗できないことはなんだろう。
そんなことを考える。ひとつ、ふたつ思い浮かぶ。
抵抗できないことは、そんなに多くはないみたい。
それにしてもルオーという画家も、彼を書いた高田博厚も、自らの芸術を追求することに命がけ。
そういう熱にふれると、私は呼吸が少しらくになる。