*FB*私も「私たち」なんてだいきっらい
2017/02/08
ごきげんよう。
冬眠から覚めたらこんどは、原稿の締め切りが目前で、まったく余裕がない私。
もっと優しくなりたいのに、ぜんぜんだめ。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
私は先日お友だちと刺激的な会話をしたからなのでしょうか、むしょうに『ルー・サロメ 善悪の彼岸』が観たくて困っているのでございます。
ルー・サロメって、ニーチェが絶望的に愛した女であり、リルケを詩人にした女であり、晩年のフロイトの協力者であったという、ワンダフルな女性。
それで彼女の伝記映画がもう、すごくて。監督がリリアーナ・カヴァーニですから。名作中の名作『愛の嵐』を撮った方ですから。
濃厚な赤ワインみたいに酔えるのでございます。とろとろ。
というわけで本日の言葉のプレゼントはこの映画のなかから。
***
「私たち?」
あなたが主張する「私たち」って何なの?
私は私のことしか知らない。
***
しびれるのでございます。
これって、ある女性から「私たちには女性と社会への責任があるわよねー」と言われて答えたときのセリフ。
「そうねー」という返答を疑いもしない相手に、「私たちって何?」と鋭く問いかけ、「私は私のことしか知らないっ」と言い切ったルー・サロメ。
大好き。
「ルー・サロメ 愛と生涯」って本があるのですけれど、この序文を、これまだ熱愛するアナイス・ニンが書いていて、こういう一致ってふるえてしまうのでございました。
(『特に深刻な……』でも扱いました。34ページよ)