■■共著本☆ 三都物語、歴史秘話■■
2016/06/28
もうひと月以上も前に出版された『ヨーロッパ三都物語 ローマ パリ ウィーンの歴史秘話』。
「歴史読本」が文庫化されたものです。私はパリの三か所を書かせていただきました。
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「ペール・ラシェーズ墓地」でモディリアーニとジャンヌ・エビュテルヌのことを。このことについては数カ月前のブログで、ふるえながら書いている。死よりも強い愛、というテーマで。
「モンマルトル」ではパスキンとルーシーの愛を。
血ぬられた文字「アデュー ルーシー」を残して、45歳で自殺した画家のことを、書いた。
「パスキンは生涯でただ一人の女しか愛さなかった。その女はルーシー・クローグである。このような愛は特記するに値するほど稀なものである」
というフジタの妻ユキの言葉をひいて、
「特記するに値するほど稀な」愛に出会うことは幸せなのか不幸なのか。
幸せなことに決まっている、と私は断言できない。
なぜならそれほどの愛はときに、人を狂わせるからだ(略)皮肉で悲しいことに、ルーシーの存在自体が、パスキンにとって自滅行為の要因の一つだったのだ」と書いた。
「モンパルナス」ではキキのことを書いた。
「さもしさ」という言葉と無縁で、「金儲け」や「生活の安定」といったことにまったく価値を見ずに、お金が入ればすぐに困っている友人にあげてしまった、高貴な「モンパルナスの女王」のことを書いた。
「あたしは愛を感じることを愛しているの。あたしは愛で自分を殺すのよ」というセリフはいろんな小説、エッセイで何度も書いてきたけれど、それでも、まだ新鮮に私に胸をうつ。