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◾️アナイス、「生きる!もう一度!」

 

  アナイス・ニンのガイドブック、出版記念のトークイベントが近づいてきて、当日のテーマなどについてのメールのやりとりが増え、アナイスにどっぷり浸ってしまいたい、という欲望と闘っている。

 なぜなら、次の本の締め切りを考えると6月中にここまではしあげておかないといけない、ぜったいいけない、無理、という自分で決めたラインがあって、そこまでぜんぜん到達していないからだ。

 そこにアナイスのイベントが企画されたのだから、しょうがないよね。アナイスにかなうひとはいないものね、どんなに魅力的な女性も、アナイスを前にしたら、そう、どんなに魅力的でも私のなかのナンバーワンにはなれないの。

 と言い訳して、今朝、というかお昼前に起きてから数時間、アナイスを想いながら過ごすことを自分に許している。

 朝方、アナイスの夢を見たということもある。

 詳細は忘れちゃったけど、アナイスとアナイスの恋人ルーパート・ポールと私と内緒のもうひとり、4人でアナイスが大好きだったロサンジェルス、シルバーレイクのプールサイドにいて、おしゃべりをしている。その映像、感覚だけは残っていて、しあわせだった。

 ガイドブックは「アナイス・ニン研究会」の方々による、アナイスのことをもっともっと知りたくてたまらない私のようなものにとっては、ありがたくて拝みたくなるような本。9人の執筆者の先生方、そして彩流社の編集者さん、ありがとうございます、って何度でも言いたい。

 私もいつかアナイスの本を書きたいな。

 アナイスをはじめて日本に紹介した、敬愛する作家中田耕治先生からも、いつかきっと書いてね、と言われてるし、いまいちばん書きたい人だな、アナイスが。けれど、現代の出版事情ならびに私の知名度では、ほんとうに難しいこと。

 だからこのサイトに「アナイス・ニンという生き方」というコーナーを作っている。出版されないまま私がいなくなっても残るように。

 ガイドブックには、まだ翻訳されていない、「インセスト」の次の無削除版の日記「蜃気楼 ミラージュ」(アナイス36歳から44歳まで)の内容が、山本豊子先生によって紹介されていて、むしょうに全編が読みたくなった。はやく「蜃気楼 ミラージュ」発売されますように。

 この日記では「情熱への渇望と恋情に伴う性愛の活写が大半を占める」。

 アナイスの愛の遍歴は延々と続くって。

 特徴的なのはアナイスが「私の子供たち」と呼ぶ、若い青年たちとの性愛。

 37歳のときに26歳のジャズドラマーであり詩人の青年と恋に落ち、42歳のときには17歳の青年と「官能的、超自然的な関係」に。……これには私もびっくり。アナイスにはかなわない、と意味不明に降参。

 その後も次々と4人の「私の子供たち」と恋に落ちる。けれど、その誰もが短い関係で、おそらくアナイスは、すこーし諦め始めていたのかもしれない。……と、これは私の勝手な想像。

 そして44歳で「運命の人」ルーパート・ポールと出逢う。

 私、何度もこのブログでも書いているけれど、彼はアナイスが73歳で死ぬまでそばにいて、アナイスを看取り、遺言を実行したひと。アナイスより16歳下。当時28歳。

 「運命の人」とお書きになった山本豊子先生によれば、

「相思相愛の男女関係と、愛情と性愛の合致の素晴らしさ」に、アナイスは日記に「信じられない驚きと悦びを綴っている」。

 こんなふうに。

「今宵は、幸福は本当に存在するし、触って見られるものだと、自分自身を鼓舞するかのように書いている。私は、ぽっぺたをつねって、この幸せを確かめ、さらに言葉をもってして強固なものにする」

 愛情性愛だけでなかった。出逢ったころルーパートはアナイスのある作品の序文を読んで、こう言った。

「希望(のぞみ)を忘れない夢見る人を、皆必要としているんだ」

 ……じーん。アナイスは感動しただろうな。

  山本豊子先生もこんなふうにお書きになっている。

「作品のテーマを見抜いている彼の洞察と気脈の合致も、ニンにとって信じがたい至福であったとうかがい知れる」

 ほんとに、私もそう思う。うそ、信じられない、って思うほどの出逢いだった、って。

 じっさい、アナイスは、こんなふうに日記に書いている。

 大文字、太字で。

「生きる、もう一度! 新たなる人生!」

 ああ。もう。涙が出そう。

 人生にはこんなことも起こりうる。

 アナイスが生きてきた軌跡、ルーパートが生きてきた軌跡、それらがあるときにひとつになる。ってことがありうる。

 どうすればそんなことが起こりうるか。ハウツーなんてない。ただ、アナイスは自らの真実に忠実に生きた。

 ほんとうに。

 アナイスは、またしても彼女自身の人生、体験で、私の背を撫でてくれる。みみもとで語りかけてくれる。

 

 ★……と、このように私が激愛しているアナイスを語るトーク・イベント、ぜひ、いらしてください。

 たぶん、私、はしたなく興奮してしまうと思いますが。

 杉崎和子先生、山本豊子先生、おふたりの、知的でたおやかなお話を聞くだけでも価値があると、断言します。

 17日(日)13時、日比谷シャンテ3階でお待ちしています。

 ご連絡いただければ、お席確保しておきます。

 メールはこちら。anaismichiko0502@gmail.com

◾️詳細はこちら。

HMV&BOOKS “HIBIYA COTTAGE(日比谷コテージ)

◾️『作家ガイド アナイス・ニン』(彩流社)
刊行記念トークショー
「山口路子さんと語るアナイス・ニンの魅力」

*写真はアナイスとの記念撮影。アナイスの年齢に合わせて、私もちょっとだけ前(うそ)のを。

 

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