*フェイスブック記事 ◆私のアナイス ◇おしらせ ブログ「言葉美術館」
*FB*「読むことで美しくなる本」シリーズ、20万部突破★記念ケーキ
2018/07/19
ごきげんよう。
21時をすぎてはじめて外に出まして、ふと空を見上げましたら、私の胸を射抜くために存在しているような黄金色の三日月が。
締め切りのことで頭がいっぱいで、どのようにして時間を捻出しようかと、ちょっと追い詰められモードだったものですから、落涙のピンチ。
そんな夜のエントランス。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
本日は、大和書房の担当編集者、藤沢陽子さんと、次の本とその次の本の打ち合わせ。気づいたら五時間が経過していまして、びっくり。
締め切りについての優しい言葉もいただいたけれど、私なりにやり遂げたい感があって、がんばるわっ、と答えちゃったりして。
そっか。私を追い詰めているのは結局、私なのね。
……そんなことより、とても嬉しいお知らせがあって。
「読むことで美しくなる本」シリーズ、ええ、巷では「言葉シリーズ」と呼ばれている、オードリー、マリリン、シャネル、ジェーン、この4冊、シリーズ累計20万部を超えたそうです。
そしてそして、大和書房さん社内で、編集者の陽子さんがお祝いをしてもらったんですって。
それで、そのときのケーキがすごいの。
あまりのリアルさに、私は、
「本の表紙だけ拡大コピーして上に載せているんでしょ?」
って言ってしまったくらい。
「違いますよう、路子先生っ。ぜんぶ食べられるんです」
笑っておっしゃった陽子さんはとても嬉しそうで、私もやっぱり嬉しくて。
「みんなに自慢したいから写真をくださいな」
とお願いして、そういうわけで本日は、自慢を目的とした投稿でした。
大きなケーキなの。
……。
それはそれとして。
いま「大人の美しさ」というテーマが与えられていて、私はどんなふうに年齢を重ねたいのかなあ、という、まあ、毎度のテーマのなかにいるわけですけれど、やっぱりどうしても、アナイス・ニンにきゅーんと引き寄せられてしまって。
というわけで、本日の言葉のプレゼントはアナイスについての、杉崎和子先生(アナイスの翻訳者)の言葉から。
私が憧れる姿がここにあるものですから。
***
会ったとき、のっけから、私はその美しさに圧倒された。
一九六六年の初夏だった。
すでに六十歳を越えていたはずだが、濃いローズ色のドレス、赤みがかったブロンドの髪に、同じ色の大きなリボンを結んだ、その女性には、そんな装いが、とてもよく似合っていた。大きな瞳が、光線のぐあいで、グレイ、紫、翠に、色を変える。
隣に座った、彼女の息子といっていいような年齢の若者に、肩を抱かれて、しっぽりと、その場におさまっていられるような、不思議な、なまめかしさを漂わせている。
***
ちなみに、一九六六年の初夏、って私が生まれたとき。
都合のよいことにはすべて運命を感じてしまうのは私だけではないわよね。