◎恋愛日記◎
2016/10/20
「書くこと。それはどんな形であれ、他人に裁かれることだ」
DVDで鑑賞。
足フェチで、とにかく女性が大好きな主人公が、自分の女性遍歴を書くのだが、タイプを頼んだ女性に「不快です」と言われてしまう。
そして冒頭のセリフがきて、
「タイピスト女史の判決に私は打ちのめされた。
最初の読者に見放されたのだ。
一時は書く気をなくしたが、自伝や回想録の古典を読み、自己を語る方法を学び、表現の法則を求めた。
しかし、それぞれ異なり、独創的で個性が輝いている。
一行一行が作者独自の文体だ。
その筆致(エクリチュール)とは指紋のようなものだ」
と続く。
「指紋のようなもの」
この発見によって、主人公は一気に作品を書き上げる。
……そう、指紋のようなもの。
けれど単なる「指紋」ではだめ。
強烈な芳香と強烈な輝きをもつ指紋を、私はもちたい。