◎彼女を見ればわかること◎
2016/10/18
「彼女の人生を推測するなんて愚かしいわ。
出口のない人生に疲れたのよ。
かかってこない電話。守られることのない約束。同じ石につまずく日々……。
彼女の心の奥などわからない。
無理なのよ。誰とも分かち合えない」
DVDで鑑賞。
ガス自殺をした一人の女性について、その原因を刑事である姉が調査するのだが、キャメロン・ディアス演じる妹(盲目)が、それについて語るのがこのセリフ。
私もよく自殺のニュースなどに接するたびに、同じようなことを思う。
人は他人の自殺の原因を特定したがるけれど、それは自分自身が安心したいからだ。
もやもやとした、未知のことについて、人は恐れを抱くものだから。
けれど、原因を特定しようとすることは無意味なのだ。
おそらく、そこには、さまざまな要因が蓄積されている。
もちろん重大なものもあるだろう。
が、一方で他人から見ればそんなささいなこと……と驚くような、本当にささいなことも、そこには含まれている。
そういうのが蓄積されていって、あるときは、同時期に積み重なって、そして最後のスイッチに手を伸ばしてしまうきっかけは、それこそ、すごくすごく、ささいなこと。
たとえば、冒頭のセリフではないけれど、かかってくるはずの電話(それは恋人ではなくても、友人知人とかでも)がかかってこない、そういうことで、最後のスイッチを押してしまうのではないか。
この映画は、とても面白かった。
五人の女性の、人生のある時期が描かれ、それが少しだけ交錯する。
一晩経って、この映画の核はやはり、このセリフにあるのではないか、と思った。
「彼女の心の奥などわからない。無理なのよ。誰とも分かち合えない」
人生はたいていは肌寒い季節なのだ、そう思うと楽しくはないけれど、これまた一つの事実なので、受け入れるしか術はない。
それでもときおり、ぽかぽかの季節や、焦げるほどに熱い季節などがあったりするから、私はまだ続けてゆきたいと思う。