◎美しい人◎
2016/10/18
文化村のル・シネマで鑑賞。ロドリゴ・ガルシア監督の最新作。
9人の女性が登場する9の物語。第2話にもっとも共鳴した。
かつては恋人同士だったふたりが夜のスーパーマーケットで再会する。
ともに心が揺れ動くが、お互いに別の相手と結婚しているという状況。過去の話になったり、現在の話になったり。
まだ君のことを想っている、という男に女が言うセリフ、いくつか。
「傷ついても怒ってもいない。悲しかっただけ」
「私たち、何なの? まるで恋人同士みたいだわ。あなたといると、私の人生が虚しく思える」
「あなたの存在が私を飲み込んでしまうの」
強烈な存在だったのだろう。
けれど、一緒に人生を生きることはできなかったのだろう。
けれど、その存在を目の当たりにすると、感じると、その強烈さに、現在の生活が急激に色褪せて見えるのだろう。
そういう相手、そのような瞬間、とてもリアルに甦った一遍だった。