◎50歳の恋愛白書◎
2016/10/21
このところ、CDをリピート設定にしてエンドレスで流しっぱなしにしていることが多い。朝の気分で一枚選んで、それでずっと過ごす。
ようやく執筆がのってきていて、足が萎えてしまいそうなほどに、座りっぱなしの日々で、CDが終わると、キーを打つ手も止まってしまいそうで、それでリピートしなければならない精神状態。
いま、バルバラの悲しみと諦めがたっぷりとふくまれた濡れた歌声を聞いていたら、ちょっと前に観た映画のワンシーンが浮かんだ。
『50歳の恋愛白書』という、内容からかけ離れた日本語のタイトルをつけられてしまったこの作品は、とても面白かった。
DVDになったらまた借りてみたい。
そのときに、正確な引用をしたいと思う。
イメージなので、正確ではないけれど、そのシーンは、惹かれ合っているひとくみの男女の恋が決定的になる瞬間を描いていた。
「私の、僕の、どこが好き?」
と問い合うなかで、女性が言葉につまりながら、自分の感覚を、しぼり出すように言う。
「よくわからないけれど、あなたの悲しさや怒り……そういうものを私の身体が、感じるの」
こういう恋はのっぴきならない運命をたどる。
相手の感情を体感してしまう。理屈ではなく頭でもなく身体が感じてしまう。
これは、アクシデント的な恋ではなく、重大な関係性のはじまりを告げる、恍惚と絶望のはじまりを告げる、そういう現象。
軽井沢、昨日は雪が降り、氷点下だったのに、今日は昨日よりも15度も気温が高くなるという。