ゆかいな仲間たち よいこの映画時間

◎17本目 「ドン・ジョン」



み:一方的だったのが、ああいう風に変えられる。

り:相手への埋没。

み:埋没。「とろん」ね。

り:2人で「とろん」(映画の前に性愛と気持ちについて話していた私達。「とろん」はその時のワードの一つ)。埋没ってもうちょっと違う言い方無かったんですかね。

み:何ていう英語を使っているのかしら。我を忘れるみたいな感じ?


り:可愛くないですか? ジョセフ・ゴードン=レヴィット。

み:りきちゃん好みね。私のイベントで撮影をしてくれたTさんを感じるわ。りきちゃんがTさん良いって言ってたけれど、ふとした表情とか、照れた仕草とか。そういうのが好きなのかしらって今日分かったわ。私はロバート・デ・ニーロの若い頃の表情に似ていると思った。ジョセフ・ゴードン=レヴィットって、他の色々な作品に出てる?

り:ちょこちょこ出てますよ。私は「(500)日のサマー」という映画で知りましたけど、それと「消された暗号」しか観た事が無いです。DVDをいくつか持ってはいるんですけど、まだ観てない。キャリアは凄く長いみたいです。

み:本当に面白かった。丁度この作品を観る前に話していた内容と凄くリンクしていたわね。観る前の予習話をして、観よう!って言って観たみたいな。私達って本当に素晴らしいチョイスをしていると思いませんか?

り:確かに。凄くリンクしてた。

み:B級、C級、D級くらいの映画だと思っていたし、そういうくだらないのが観たかったんだけど、まずビックネームの女優が2人も出てる。

り:実は3人ですよね。アン・ハサウェイも出ていましたよね。

み:あれそうなの? 映画を観るシーンで出てきた映画の中のショートカットの人?

り:あれそうだと思う。

み:友情出演みたいな感じかしら?

り:仲が良いみたいですけどね。

み:そうなのね。ジュリアン・ムーアが出てきた時は、友情出演っぽいちょっとした登場で終わりなのかな?って思っていたの。そうしたら最後メインを持ってった。いやー面白かった。要するにこれは陳腐な言い方をすれば、本当の愛を知らなかった人が愛を知りましたって事よね。見た目も低い点数で、オバサンって言っちゃっていたくらい低い段階からのスタート。だから外見ではなく中身に惹かれたっていうつまらない言い方しか出来ないけれど。

み:ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるジョンは、元々素質を持っているのよ。出会いがあったり、教えてくれる人がいたとしても、素質が無いと開花しない。欲望のままに動くし、そういう素質を全然持っていないように見えるように描かれているけれど、ジュリアン・ムーア演じるエスターと出会った事によって何かに気付き始める。それってやっぱり彼自身が持っている才能の一つだと思う。エスターも最初はそういう関係になるとは思っていないはずよ。

り:彼自身にそういう中身があるからこそ、私生活のちょっとした仕草に出てくるんですかね。丁寧にベットメイキングをしたり、床掃除をするとか。

み:そうそう。あとは教会に行くとか。やっぱりストイックなのよ。自分を愛しているから肉体作りもするんだろうけれど。これはもう皆にオススメしたい。万人受けはしないかしら? 私は最高に気に入った。希望の映画だわ。

り:観始めは本当にそんな事が起こるっていう感じが全然しないのに。

み:最初はね。本当にくだらない映画って感じがするわね。でもやっぱりバーバラを演じてるスカーレット・ヨハンソンは演技が上手ですねえ。凄く自己中なくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃガムを噛んでる人物を演じてる。

り:彼の実家にいる時もくちゃくちゃしてますよね。

み:そうそう。あの感じとか、自分の事しか考えてないって言われても、何も気付きが無い所とか。

り:何言ってるのこいつ?ぐらいですよね。

み:そう。ああいう人こそ素質が無い人。エスターに「あなたのセックスは一方的なの」って言われるけれど、彼はそれを受け止めてショックを受ける。同じシチュエーションでバーバラがそう言われたとしたら、きっとそんな事無い、何言ってるの?っていう感じになると思う。素質が無いからそれに気付く事無く、受け止められない。

り:妹の最後の一言も秀逸ですよね。

み:そう! 全員を見ている。見る目を持っている人を代弁してね。ずっと携帯を弄っているのに。

り:一番見てなさそうで、周りに無関心みたいな感じなのに。

み:一言も喋っていなかったものね。あれが唯一の発言。

り:最初で最後の一言。

み:役者が良いと見入っちゃうわね。彼も凄く魅力的

り:でしょう?(笑)

み:何歳くらいの設定なのかしら?

り:ネットでは彼は20代後半って書いてある所がありました。彼はエスターと出会って間もない頃、彼女に対して怒ったじゃないですか?

み:ノートを貸したシーンね。何でこの講義を取ったかを聞く場面。

り:それで言い当てられたんですよね?

み:別に当てられた訳では無いけれど、彼女の質問によって、自分からのアクションでは無く、バーバラの希望で動いているという事が分かった。そうは思いたく無いのに、エスターからの質問で考えたくない事や見たくない事が見えてしまったから怒った。


み:でも実は重たいわね。14ヶ月前に車の事故で夫と息子が亡くなっているんだもの。よく生きているなっていう感じ。しんどいわ。そういう傷も持っていて、2人は結婚の約束とかそういうのは全然関係無いけれど、気持ちが通い合ってる。

り:その傷すら愛おしいという目線でしたもんね。

み:うん。良いなあ、あんなに愛されて。彼女が彼に教えた事は、正に私が映画を観る前に言っていた事よ。気持ちがあって、その先にセックスがある。それが無いと気持ち良くない。でもあそこでちゃんと「あなたのセックスは一方的なの」って言ってあげるのが良いわね。セックスの事って、デリケートだから中々言えない。年の差故っていうのもあるかもしれない。

り:そういう意見に対して受け入れない人もいる。受け入れるという事はやっぱりジョンには。

み:素質があるのよ。エスターも何かを持っていそうな女性よね。レアなポルノビデオを貸したりするような、何か普通の人じゃないような感じ。そういう人が彼に何かを言うって事は、彼女もジョンの素質に気付いていたのかもしれないわね。こんな馬鹿に言ってもしようがないっていう奴には言わないもの。

り:ジョンって、多分初めて女性に理解してもらえたっていう気持ちがあると思います。そういうのでエスターとの壁が無くなったっていうのはあるかもしれない。


み:うん。だって初めて女性に自分はポルノ中毒だってカミングアウトしているんだもの。でもそれをえっ!?みたいな反応では無く、分析してくれてる。どうして観ちゃうの?とか、ポルノ無しでイケる?とか。それは今迄に無い経験よ。言うとおこがましいけど、私もそういう分析とかするの。いやんとかでは無く、どうしてそんなに観るの? そこに何があるの? それによってあなたは何を得ているの? 普通のセックスと何が違うの? って分析していく。だからエスターの分析の仕方が自分に似ているなって思った。

り:それはね、思いました(笑)

み:そうでしょう? りきちゃんは分かるわよね。自分を見ているみたいだなって思って。だから凄く楽しかったんだと思う。おばさんって言われてしまう年齢で傷を負っている人でも、あんな風に最後ハッピーになれる映画ってサイコー! そういう意味では私の中ではとっても良い映画で5つ星です!(笑)

り:正にジュリエット・ビノシュの「アクトレス」で言われてた事ですよね。どんな馬鹿げた映画でも、真実があるってね。

み:うんうんうん。そうね、本当ね。

り:全然そんなに期待していなかったですもんね。

み:しかもそんなに馬鹿げていないのよね。最初の方に扱っているもので馬鹿げてるって思わせるけれど。

り:その落差があるからこそ、現実味や重みがありますよね。

み:本当に真実があったと思う。今の私のメインテーマがあった様な気がする。それって凄いわよね?

り:うん。たまにはこういうの観なきゃダメですね(笑)

み:本当ね。私、何度もアマゾンプライムでこの作品をスルーしていたの。

り:そうなんですか? 存在は知っていたんですね。

み:うん、オススメとかで出てくるもの。内容も見ないでいた。

り:あのパッケージですしね。おバカなアメリカの青春映画みたいな感じですもんね。

み:そうそう。で、ドン・ファンをもじったりしているから、本当にくだらないラブコメディーとかお色気コメディーみたいなのかなって思ってスルーしていたの。それがこんなに素晴らしい映画だったなんて。


り:多分ジョセフ・ゴードン=レヴィットがプロデュースなんですよね。

み:監督では無いの?

り:監督・脚本ですって。

み:彼凄いじゃないの。

り:そう、彼凄いんです(ハート)

み:実年齢は何歳?

り:36歳。

み:という事は、32歳の時の作品なのね。りきちゃんと同じくらいね。

り:そうですね。

み:あれで32歳で、ジュリアン・ムーアは何歳くらい?

り:52歳。

み:私と同じくらい。52歳と32歳だから、20個くらいの歳の差か。十分有り得る。作り方も良かったわね。古典的な方法なのかもしれないけれど、同じシーンを繰り返していく方法ね。教会のシーン、車のシーン、家族のシーンを1週間ごとにね。それでちょっとずつ変化がある。スポーツジムのシーンもそうね。最後は。

り:いつものマシーンでは無く、バスケットに行きましたね。

み:というのは、自分1人の世界からコミュニケーションを取る方に行ったって事よね?

り:あとは懺悔と祈りの必要性が無くなったからですよね。

み:そうそう。自分にとってはエスターとの婚前交渉は全然罪では無いって思っているのに、懺悔室で10回祈れって言われたから。

り:どういうカウントのシステムなんだってね(笑)

み:本当よね(笑)

り:彼にとっては本当に特別なものだったんですよね。それなのに懺悔室で侮辱されたみたいな感じなんですかね。侮辱されたまではいかないけど。

み:侮辱されたまではいかないけれど、今迄にあった一夜限りの関係やポルノ鑑賞を何十回も観てしまう事は自分自身も罪だと思ってる。でもエスターとの関係は、罪という意識が全然無い。それなのに10回も祈れって言われたから、自分の中で何かが違うって思ったのね。十字架のネックレスつけて、車にも十字架のアクセサリーがぶらさがっているから、割と信仰的なのよね。イタリア系の家族かしら? 彼女の話をしている時に、ユダヤ系か?ってちょっと差別的な発言をした後に、イタリア人じゃないぞって言っているから、そのうちがイタリア系だと思っていたのだけれど。プロテスタント?

り:プロテスタントでは無いかも。

み:神父だからカトリックよね。

り:祈り方も十字を切っていたので、カトリックかと。

み:プロテスタントだと牧師。

り:で、聖母マリアが信仰対象になってますしね。


み:それにしてもアメリカって本当に禁欲的…というかなんだろう…しばりが日本よりもあるような気がする。セックスについて話している時に、愛の行為という言葉を使う時は正常位オンリーだって言ってたわよね。バーバラとの関係は、愛情がある関係だから正常位。あんなに遊びの関係が多い人でも正常位が多くて、ファリュスを口で愛するのはあまりせず、ミネットする事を要求する女が多いっていうのが彼の性経験の中でもパーセンテージを占めてる。そういう女が多いって事に私は驚いた。

り:一般的にそうなんですか? でも私もそう思った。

み:思ったわよね。まありきちゃんの場合は男と男だから、男と女のセックスとはちょっと違ってくると思うんだけど、それにしてもそう思わない?

り:うん、嫌いなんだって。

(ここはちょっと秘密の会話が続いたのでカットしました。秘密よ秘密。)

り:例えばミネットされるのが嫌いな人もいるわけですよね?

み:そうね。でもミネットするのが好きな人って多いみたい。したがる人が多い。だけどそれが嫌いって言うと、しないで済むならラッキーっていう人と、どうしてもしたいって人に分かれる傾向があるの。これをしないと興奮しないって人ね。それを要求するっていうのはアメリカの女性の特徴なのかしらね。日本とは違う結果が出そうね。

り:そういう事って聞けないし、聞かないじゃないですか。

み:よっぽどじゃないとね。

り:前に知人と、友人とかのセックスって見てみたいよねっていう話になったんです。

み:じゃあ、りきちゃんがしてるのをとか? 私がしてるのとかをって事?

り:まあ言っちゃえばそういう話なんですけど(笑) やっぱりどういう事をしてるんだろうとか、ポルノじゃないものとして。

み:だからラブホテルの盗撮みたいなのが出回ってるのよ。

り:そういうポルノではなく?

み:本当にあるみたいよ。だから需要があるのよ。例えばカップル喫茶?みたいな所でっていうのは、人に見られる事を意識してしているからちょっと違う。人に見られる事を意識していない人達がどういう風にしているか。つまり隣の寝室ってやつね。あそこの夫婦はそういう風にセックスしているのか?とか。そういうのは皆共通に思ってるかもしれない。でも私はそんなに興味が無い。そういうのは私のメインテーマだけれど、実際の性行為、特に知人のは見たくはないなあ。

り:性行為自体を見たい訳では無いんです。統計みたいな感覚で知りたい。でへへへっていうので見るのでは無く。

み:ここはこう、ここはこうみたいなね!

り:そうそうそう。ここはこういう事をするんだみたいなのを知りたい。言葉だとやっぱりちょっと違うじゃないですか。

み:うんうん、なるほどね。でも凄そうよね。普通のカップルがコスプレとかしながらやってそうだものね。それがそのカップルの普通だったりする。

り:いわゆる皆の普通っていうのが知りたい。そういうのを話す場が無いじゃないですか。聞く場とか。だからこそ、こういう映画を観た時でも一般的な常識が分からないから分からない。

み:だから「セックス・アンド・ザ・シテイ」が爆発的な人気を博したのは、それを女性の目線で語ったから。りきちゃんは全部観た?

り:全部観ました。

み:私はルーティンで10回くらい観てると思う。あまりにも観ているから、その本を書いてくださいって言われたくらいだから。でもあれは本当に女から見たセックスを赤裸々に語ってる。下手だけど気付かない男とか、そういうのがあったから面白かったんだと思う。へぇっていうのと、代弁してくれている所とかがあったから面白かった。性っていうのは日常会話の中ではあまり出てこないからね。

り:タブー視扱いされてますからね。

み:色眼鏡で見られる。軽井沢夫人書いただけでもそうなんだから。

み:彼はポルノに夢中になっているけれど、現実の女とも寝ている。満足はしていないけれどね。だからまだ現実世界との繋がりを持っているけれど、今はネットので満足してるっていう人達が増えてる。それも実写では無く、アニメーションもある。でもそう考えてしまうのも分かる。ドンが言っている通りに、本当にそこには理想があるんだもの。自分が動いたり、相手を満足させようって思わなくても良いんだもの。

り:一方通行のってやつですよね。

み:うん。一方通行の気楽さは私には無いけれど、そういう人が増えているっていうのも分かるような気がする。めんどくさくない。ぐにぐに言わないし、愛してーとも言わない。そういう今の現実を描いている気もした。

り:意外と深い。探るといろんな方向から観られる。


み:ドンの家族も皆身勝手だし。バーバラと別れて、お母さんが怒るシーンも、自分の事だけを考えているし、それを思いっきり言っちゃう。私の孫はどうなるのよ!って。ドンはハートブレイク中なのに。身勝手なのよね。

り:身勝手な両親なんですよね。俺の女だって言う父親。

み:そうそう。バーバラを舐めまわすように見たり。

り:尻撫でたり。

み:ああいう家庭に育っているっていうのもバックグランドとしてある。コミュニケーションが取れてない。

り:コミュニケーションですら、皆一方通行。

み:妹はずっと携帯弄ってるし。

り:お父さんはテレビばっかだし。

み:だからそういうのが彼の人格形成に影響を与えているなっていうのも納得出来る。いやー面白い映画でした。これオススメです。皆様に。今アマゾンプライムにて無料で。

り:ご覧いただけます(笑)

み:タイトルがくだらなそうだとか、パッケージで判断しないで。

り:しない。もうしちゃダメ。

み:タイトルが良くないのよ。そうなんだけどさあって思うけれど。

り:そういうのいっぱいありますよね。

み:日本語にしてタイトルをダメにしてしまうのもあるけれど、これは原題でしょう?ドン・ファンに似てしまっている事も誤解を招いていると思う。

り:意味があるのかな。

み:ドンってあれよ。

り:そうか。ドンって、「私の首領(ドン)と呼ばせてくださいー」のドンですもんね。

み:それ何だっけ? 凄い懐かしい。何だっけなんだっけ?? リアルタイムで聴いていた様な気がする。誰だれ?

り:石野真子。

み:石野真子だ!

り:漢字とカタカナで首領(ドン)って字幕が出てきた時、真子ちゃんしか出てこなかった。

み:だからドンっていうのは、ナンパの首領(ドン)みたいな感じで呼ばれていたからなのよね。

り:そうですね。

み:で、名前が。

み・り:ジョンだから、ドン・ジョン。

み:なんだけど、やっぱりタイトルはもう一工夫欲しかった。

り:そのまんま過ぎましたね。

み:名前だものね。名前というか呼び名。

り:日本だと「彼のあだ名はなんとか」みたいなタイトルになりそう。

み:「彼のあだ名はドン・ジョン」とか「ドン・ジョンのセックスライフ」とかね。

り:ありそう(笑)

み:それだともっとくだらなくなるわね。確かに難しい。

り:だからと言って真面目なタイトルにしてしまうと面白さが半減してしまう気がする。そういう映画なんだって真面目に観ちゃう。タイトルって難しい。

み:そうするとやっぱり「ドン・ジョン」ね。

り:海外だと名前をタイトルに付けるの多いですよね。

み:多い。

り:海外のアーティストも、自分の名前をファーストアルバムのタイトルにしたりしているし。

み:原題が固有名詞なのに、邦題を変えてしまっているのって結構あるわよね。だからこれは付けようが無かった。どういう風にしても陳腐になっちゃうと思って「ドン・ジョン」にしたんじゃないかしら。私達が考えても、ぷっていう陳腐なのしか出てこない。ドン・ジョンが本当の愛に巡り合う物語とか、センスの無さ爆発!みたいな。だからタイトルの件は。

み・り:許そう。

み:今日は本当にナイスチョイスでした。自画自賛な私達。皆、意味不明だと思うけれど。



~今回の映画~
「ドン・ジョン」 2013年 アメリカ
監督・脚本:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/スカーレット・ヨハンソン/ジュリアン・ムーア/

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