路子先生との時間

マリリン・モンローに学ぶ「女性らしさ」

2017/02/21

9月のミューズサロンのテーマは、「愛すべきひと、マリリン・モンロー」。
路子先生は『マリリン・モンローという生き方』も出版されていて、日本にあるマリリンに関する資料はほぼ全て読み込んでいる、マリリンのことならまず路子先生でしょ、というべきお方。

2012年8月『マリリン・モンローの生き方』のトークショーでの路子先生、マリリンTシャツが、とっても似合ってて可愛い。

マリリン・モンロー。  アーサーミラーをして「想像できる限り最高に女らしい女」と言わしめたひと。そして、知性のひと。

わたしも路子先生によって、マリリン像が変わったひとり。
前はマリリン=セクシー女優という、世の中一般と同じ目でみてしまっていたけど、
マリリンを知れば知るほど、その魅力に惹かれ、今では好きな女性の1人になった。

サロンの前日に、予習もかねてマリリンについてふわふわ考えていた。
そういうときには、無謀にも、自分との共通点を探してしまう(と同時に、自分にない部分がみえてくる)。

サロンでは恥ずかしくて言わなかったけど、服を脱ぎ散らかす天衣無縫的なところ以外にも、実は、マリリンとの共通点はいくつかある。

自分に対する劣等感がつよいこと。「ミスフィッツ」であること。外見のイメージとのギャップ(でもこれは自分のせいでもある)。知への欲求。
宝石や物に執着がないこと。10万円あったら、中身を充実させること、服を脱いでも美しくいられるように、お金を使いたい。

写真は2015年に路子先生が監修したマークシティのバレンタイン・イベントでのマリリン。

「夢を叶えるには、抑えようのない情熱が必要なのよ」……好きな言葉。

サロンで出た話でおもしろかったのが、マリリン関係の著書はほぼ全員男性が書いている、ということ。
参加者の女性のひとりが鋭い一言。  「女性は共感する生きもの。マリリンは自分とは遠いところにいる。努力した先にオードリーやジャクリーン(いずれも路子先生の「生き方シリーズ」の主人公)はいるけど、マリリンにはなれるとは思わない」  たしかに共感ポイントが少ない、というのは女性にとっては、書く対象になりにくいのかも。

ちなみに、この発言をした女性、ベリーダンスを習っていて、つい先日そのショーをみにいってきたばかり。 
なんだ、マリリンとの共通点、一番大事なところがあるじゃない。 女性であることを純粋に楽しんでいる姿、自信に溢れてて、美しかったなぁ……。
自分に圧倒的に欠けたものが、そこにあってまぶしかった。



マリリンのイメージに合わせて、部屋にはピンクの薔薇が飾ってあった。その横に、ずらりと並ぶマリリン関係の書籍は、圧巻の一言。

貴重な写真集や資料などをいろいろ拝見させていただいたなかで、印象に残ったのは、若いときの写真集と死の直前36歳の頃の写真のかわりよう。

若い頃は、むっちりと健康的な肉体に、いわゆる「ザ・マリリン(セクシーシンボル)」的なはちきれんばかりの魅力が炸裂。あどけなさが残るマリリンがかわいい。 

36歳の頃は、今ほど写真の加工技術が発達していないこともあり、しわやそばかすなども、はっきり確認できる。それは確かに女性の大敵である「老い」である。若い頃よりも肉が落ち、「あれ、マリリン・モンローってこんなに細かったっけ」と驚くほどだった。

(バート・スターン『The Last Sitting』)

たしかに全盛期の、誰がみてもわかりやすい魅力とは違うかもしれない。キュートなセックスシンボルとしてのマリリンが好きな人は、この写真集を見て、「マリリンも老けたな」とがっかりするかもしれない。

でも。若さや老いを超越したなにかが、死の直前の、その写真集にはあった。

なかにはシーツ姿やヌードの写真もあるけれど、女性性、セックスシンボルの象徴であるはずのマリリンから、ぎらぎらした性のいやらしさは一切感じられない。  なにより、儚さが、際立っていた。消えてしまいそうなくらいに、線が細い。写真のなかのマリリンは、純粋な魂の粒子みたいなものを全身にまとっていて、もはや神々しかった。

好きな写真はいくつもあったけど、1枚、なんともいえない表情をしたマリリンの写真が忘れられない。
両手で半分顔を覆ったアップの写真。その目は潤んでいて、今にも泣き出しそうで……。何かを訴えかけているような。  それは死の直前の、最後の「HELP」だったのかもしれない、そう思うと胸がしめつけられた。

去年の冬に銀座でやっていた「Esprit Dior」の展示でも、マリリンに会っていた。流れ星のようなマリリン。

この展示がすごくよくて、期間中2度もいったのだった(そしてディオールが好きになった)。
この黒いドレス姿のマリリンも、最後の写真集におさめられていた。好きなものは繋がるんだ、と思った瞬間だった。

マリリン・モンローという生き方 (新人物往来社文庫)

(2016.10.22)

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