◆アルベール・エルバス登場◆2010.2.15
2020/04/22
「失われたのは、ファッションそのものではなく、装う“喜び”」。
どきりとして、目を止めました。
このところの自分のことを言われているようで、でもそれは言われたくないことだから、どきりとしたのです。
「悪い?」と開き直ってみたくもあり、「だってこんなに寒いんだもの、つい“喜び”よりも“暖”をチョイスするのは軽井沢住民としては、それはもう人情の域なのよ」と、これまた開き直ってみたくもあり。
それでもつい最後まで、「この記事」をぐいーっと読んでしまったのは、短い文章のなかに平易な言葉で、根本的なことが表現されていたからです。
「ハーパースバザー日本版の3月号」。
私がぐいーっと引き込まれた「この記事」とは「ランバン狂想曲 in Tokyo」、ランバンのアーティスティック・ディレクター、アルベール・エスバスのインタビュー記事です。
アルゼンチンのブエノスアイレスで彼は、女性たちが年齢に関係なく自由にファッションを愛している姿に魅せられます。
華やかなタンゴバー。
美しく着飾った年配の女性たち。
そこに一人の若い女性が入ってきます。彼女はTシャツにジーンズという姿。
その「光景」に、彼は愕然とするのです。そして自問します。
「いったいファッションはどこへ行ってしまったのか、僕たちの世界がなくしたものとは何だろうか」と。
そして私がどきりとした言葉が続くのです。
「そして気づいた。失われたのはファッションそのものではなく、装う“喜び”だとね。それをぜひとも取り戻したいと思ったんだよ」
この言葉にインタビュアーの言葉が、重なって響きます。
「ランバンが伝えるのは、スタイルではなくエモーションだ。女性一人一人に寄り添い、そっと包み込み、その人生を彩ってくれる」
ランバンを身にまといたい、と思わせるみごとな文章だと思います。
……もしかしたら、現在の私が、切望している何かがここにあるのかもしれません。
久々に、じっくりとくいいるように、ふれあってしまった記事でした。
もっともっとご紹介したい言葉がありますが、全文引用になりかねないので、ここまでとします。
ご興味ある人は、雑誌を購入するしかありません(なんだか宣伝めいてきました)。
そうそう、気になることがもう一つ。
インタビュアーは……と探してみると、「Interview&text:Akari Ii」とありました。