■ひとり出版社の舞台裏と3冊3刷+オードリー4刷の喜び
「オードリー、4刷決定!」
今週月曜日の夕刻、娘からシンプルなラインが届いた。
今年もそろそろ終わろうとしている木曜日のおやつタイム。いま書いておかないと、これから年末までたくさんの予定が入っているから書かないまま終わってしまいそうで、だから「ひとり出版社ブルーモーメント」のことをいま書いておこうと思う。
最初の2冊、オードリーとマリリンの出版は昨年の12月初旬。
次のシャネルはそれから3ヶ月後、今年の3月の中旬。
3冊ともすべて3刷となった。
それだけでもすごいなあ、って思うのに、ひと足先にオードリーが4刷となったわけだ。
このことは、ひとり出版社1年目の成果としてどうなのかは私にはわからないけれど、個人的には、すごいことだ、って思っている。
単価が低くないと売れない、と言われることの多い今日このごろの出版業界。
ブルーモーメントの本の単価はけっして安くはない。
けれど、全国の書店で売れ続けている。ブルーモーメントのサイトからのオーダーも入り続けている。驚きなのが「プレミアム3冊セット」のオーダーが多いこと。5千円を超える金額なのに。
それから「ギフト包装」希望の人が多いこと。
求めている人はいる、そしてこの本たちは誰かにプレゼントしたい、って思ってもらえる本なんだなあ、としみじみ思う。
もちろん、売れ行きはすべて、とくにオンラインでのオーダーは、娘でありひとり出版社代表の竹井夢子の活動による。
娘から聞くところによれば、比較的若い年齢層の人たちが多く、彼女たちは「お小遣いをためて」、あるいは「がんばってバイトして」、ブルーモーメントの本を買ってくれているのだという。涙が出ちゃう。
そして彼女たちはみんながみんな「読書好き」なわけではない。さまざまな角度から導かれてブルーモーメントの本に出合い、その読書体験に感激し(ここは著者として嬉しいところ)、もっといろいろな本を読んでみたい、という気持ちになっている人も多いらしい。
ブルーモーメントの本社は自宅。
出版社の話が出る前に引っ越したマンションの地下にたまたまトランクルームがあったことは、とても幸運だった。いま、ふたつ借りて倉庫にしている。
取次からオーダーが入る。倉庫におりて、ふたりで黙々と段ボールに本を詰める。もう慣れたもので分業で短時間で終わる。
ひとり出版社の地味な舞台裏だよねー、と娘が笑う。
書店からの返品本が届く。チェックして、帯、すべてをかけかえて、メルカリの店舗に出品する。こちらの需要も多い。
1冊も捨てたくない。
そう娘は言う。だから本体がすこし汚れていたりするものは自分の部屋に置いているから、どんどん増えていっている。
オーダーしてくれた書店ヘ、ポップやパネルを発送する。それぞれに一筆あいさつを添えて。だからかな、応援してくれる書店さんも増えてきている。
来年の春に4冊目を出したい。
と、ただいま準備中(娘が)。いまはタイトルをあれこれ考えている(娘が)。相談を受けて私も意見を言う。却下されても、しつこく次のを提案したりする。それを受けて娘が、じゃあこれは? と新しいのを提案。それはないでしょう、と私。
やがて。
はい、迷走してきたね。いったん寝かそう。ワタシモネマス、オヤスミ。
と娘が言い、私もおやすみを言う。
新入社員としての本業も忙しそうだからたいへんねえ、と思いつつ(←ひとごと)。
何か新しいものを創るときは、いつだって高揚する。好きでしていること、したくてしていること。
それもある。けれどなにより、ともに本を創るひとに情熱とこだわりがあるということ。
次の本、どんなふうに「再生」するのか、楽しみだなあ。ってこころから思えることが嬉しい。
何度も書いているかもしれないけれど、何度でも書きたい。
こんなによい本が埋もれていくのはおかしい。
そう言って、私のたいせつな生き方シリーズを「再生」させてくれてありがとう。
★ひとり出版社と娘、たいせつな記念日に(2020/12/7)
はこちらからどうぞ。
*写真はリビングのソファーでぬくぬくと妄想中、通りがかった娘を呼び止めて撮ってもらったもの。かなり適当にシャッターを何回か押して、……部屋着のままでいいのかね……しかもくつろぎすぎ……と言って彼女は去って行ったのでした。