▽映画 ブログ「言葉美術館」

◆大好きなジャンヌ・モローが死んだ

2017/08/10

 

 2017年7月31日、ジャンヌ・モローが死んだ。

 1928年生まれ、89歳だった。大好きな女優の一人だった。いつか書きたい女優の一人でもある。彼女の出演した映画、日本公開されたものはほとんど観ているはず。

 非日常を過ごしているときに、このサイトの「よいこの映画時間」を一緒に作っているリキちゃんからメッセージが届いた。ジャンヌ・モローが亡くなったようです、って。瞬間、ものすごい喪失感があった。

 昨夜、私なりのジャンヌ・モロー追悼、『愛人 ラマン 最終章』を観た。

 もう何度目だろう、66歳のとき38歳年下のヤン・アンドレア(28歳)と出逢ったデュラスの、最後の愛人と過ごした最後の16年間。

 38歳年下の恋人! 彼との関係に、またしても胸うたれた。

 わがまま放題で、もう書けないかもしれない、と思いながらも毎日、ひとりきりで「書く」ことだけをしている、そんな作家の前に突然あらわれる、彼女の大ファンの青年。ふたりの、ふたりにしか絶対絶対わからない、たしかな愛の世界に涙があふれて、そして、デュラスを演じるジャンヌ・モローが好きで好きでたまらなくて、大泣きしながら観た。

 38歳年下の恋人は、つねに彼女を見ている。つねに見ているのだ。ふたりは喧嘩もするけれど、彼は彼女をつねに「見て」いる。

 今回はそこになにか底知れぬ憧れを抱いた。私、あんなふうに、誰かに見られたい。そのためには何をすればいいの? もっともっと、書いて書いて書かなければならないの?

 「言葉美術館」、ジャンヌ・モローで検索したらいくつか記事が出てきた。

 たとえば。

ラマン愛人 最終章(2009年12月17日)

■ジャンヌ・モローの強い気(2012年2月25日)

 この記事で紹介した言葉に再び胸を熱くする。

「愛を出し惜しみするなんてことはとてもできないわ。どんな危険も怖くはない。たとえ、そのため将来不幸になるにしても、現在の愛に自分を燃やしつくす喜びから考えたら、それがいったいなんだっていうの。」

 こんなふうに生きたいと私はずっと思ってきたのだ。

 デュラスとジャンヌ・モローが重なる。

 恐れることなく現在の愛に自分を燃やしつくす。

 ふたりとも、そういう愛し方をする人だった。だから、それに見合う愛を与えられた。愛されたのだ。

 なにか、自分の内側から、熱い想いが立ちのぼる。私、生きている限り、愛を諦めない。 

 ジャンヌ・モロー。あなたのことをいつか私、書きます。

 『ラマン 最終章』の一番好きなシーン。「もっとも美しいシャンソンよ」ってデュラスがレコードをかけるシーン。TouTubeでこちらかぜひ。

 

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